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通風・採光




風の流れや自然光を採り入れて心地良く暮らせる住まいを叶えるには「パッシブデザイン」がおすすめです。日射を取り込み、季節によっては遮蔽し、熱エネルギーや風もうまく取り入れることができれば、自然で健康的な明るさを享受できるからです。風雨から家を守るために軒を深く出し、庇を効果的に設けるなど、パッシブデザインには昔ながらの日本の家づくりの知恵が息づいています。こうした知恵を最大限家づくりに取り入れることも必要といえるでしょう。

 

風を取り入れる

どこから風が吹いても風が通るように

 

風向きは地域や敷地、季節や時間によって変わります。風通しの良い家をつくるには、どの方向から風が吹いても風が通るようにしておくこと。まっすぐ進み、壁にぶつかっても方向を変えて進む風の性質を念頭に、家の間取り図を広げて異なる面にある2つの窓を線で結んでみます。線上にある部屋には風が通りますが、LDKや子ども部屋などに線が通らない場合は、間取りや窓の位置を再検討しましょう。


 風通しを良くするために、さらにワンランク上の方法があります。

 

 一つはウインドキャッチャーとも呼ばれる「風をつかまえる」という工夫です。ぶつかっても進むという風の性質を利用したもので、その場所で一番吹きやすい風向に合わせて縦すべり出し窓を開口したり袖壁を設けることで、窓や壁にぶつかった風が部屋の中に入り込んできます。


 もう一つは、吹き抜けや階段室を介して1階から2階へ風を通す「立体通風」。これによって家全体に新鮮な風が行き渡るため、家の隅々まで気持ち良い空間にすることができます。

 

光を採り入れる

窓からの間接光でやわらかい光を入れる

  

日当たりの良さを考えれば、直射光が長く入る南側に窓を設けるのが基本。ただし、直射光が当たらない窓からも、空からや周りの建物に反射した間接光は入ってきます。その部屋を長い時間明るくしたければ、例えばLDKを「南+その他の1面以上」というように複数面に窓を設けること。寝室は風通しが良ければ1面だけでOKです。


 窓が十分に設けられなくても、窓から離れた部屋に光を導いて明るくすることも可能です。これを「導光」といい、直接的な導光として吹き抜けがあります。南側に吹き抜けを設ければ、北側の階下の部屋に直射光を取り入れることができます。また、室内の壁や天井を白系にすれば、反射した光が奧まで進むことになります。南側のベランダや庇に反射させた光を奧まで導く方法もあります。

 

 

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