身体が急激な温度変化を感じた時、体温を一定に保とうと血管が弛緩、または収縮して血流を調整しようとします。住まいの中でも暖かい居間から寒い廊下や浴室に入った途端、脳梗塞や心筋梗塞などを発する場合があり、これをヒートショックと言います。室温が1度下がるごとに40代で1mmHg、70代では1mmHg以上の血圧上昇があり危険です。特に血圧の上昇幅が大きい高齢者、高血圧や糖尿病、動脈硬化のある人には注意が必要です。家庭内で死亡した高齢者の実に1/4がこのヒートショックが原因と言われています。ヒートショックの予防策としては家の中の温度差を少なくするため、浴室や脱衣所をお湯や暖房器具であらかじめ暖める、これらの部屋にも断熱材を入れたり、ペアガラス・トリプルガラスなどを採用することなどで防げます。断熱性能の高い住宅では室内温度差も小さく、血圧が10mmHg低減するという調べもあります。
また夏の気温が33度を越えたときも高齢者には注意が必要です。高温による免疫力の低下、水分補給不足による脱水症状、血液循環の減少などで、熱中症を引き起こします。水分にはミルクの摂取も有効。
いずれにしても自然素材を用い、高気密・高断熱の住まいで、適切な温度と湿度が保たれていることが重要です。