Hiroshimaken Koumuten Kyoukai
HKK REPORT 広島県工務店協会活動報告 10
能登半島地震の被災地を視察し木造応急仮設住宅の可能性と工務店同士の連携の大切さを実感

被災から半年近くが経っても倒壊したままの住宅。「危険」「注意」などの危険度判定が済んでいても完全解体は1軒もなく、被災直後から状況はほぼ変わっていない。一方で、およそ築5年以内と思われる住宅については被害が少なかったとみられる

供給された木造応急仮設住宅は合計551戸。さらなる需要も予想される

木造応急仮設住宅では初めて2階建てメゾネット型2DKを建設した

参加者たちはいまだ復興半ばの被災地の現状報告を真剣に聞き入っていた
広島県工務店協会総会が今年も6月に開催され、全国木造建設事業協会(以下全木協)が主催した、能登半島地震における木造応急仮設住宅の建設について視察報告が行われた。今回の視察は、被災から約半年が経ってメディアによる報道も減っている中、復興の進行状況や応急仮設住宅の建設状況を確かめるべく実施。視察を行ったのは震度7を計測した輪島市内の仮設団地2カ所で、いずれも全木協が現地の工務店と協力して木造応急仮設住宅を建設した。復興住宅への転用を前提としているため、基礎部分はコンクリートのベタ基礎、屋根には石州瓦、断熱材も防音性の高いセルロースファイバーを採用するなど、一般住宅と変わらない高い居住性能に注目が集まっている。
しかし、被災地では倒壊したり傾いたりしている建物でもいまだ解体されておらず、復興への道は遠いことを目の当たりにした橋本建設株式会社の橋本英俊社長。「大工の派遣などは現状困難なものの、募金など現時点で自分たちにできることをやっていくべき」との思いを強くするとともに、平時からの工務店同士の連携の大切さを改めて実感する視察になったようだ。
被災地を視察して感じた「備えと連携の大切さ」
県内工務店や市区町村と平時から情報交換・共有を

応急仮設住宅建設場所の想定など
平時からの備えや連携が大切
能登半島地震では、残念ながら復旧の指揮を執る組織がなく初動が遅れた印象があります。被災時にいち早く対応できるよう、市区町村は応急仮設住宅の建設場所やゴミ置き場などを想定しておくことが大事で、私たちも平時から市区町村との連携が必要だと感じました。
橋本建設株式会社 代表取締役 橋本 英俊 氏

木造とプレハブの併用が印象的
工務店の連携で臨機応変に対応を
建設に時間はかかるが高スペックの木造応急仮設住宅と、迅速に供給できるプレハブ仮設住宅、それぞれ住み分けしながら両方うまく活用できていました。広島でも臨機応変に対応できるよう、普段から県東部エリアを含む工務店との連携を図っておくことも大事ですね。
株式会社池芳工務店 代表取締役 池田 芳史 氏
過酷な現場で献身的に働く大工や現場監督らによって建設された木造応急仮設住宅への期待や需要は高く、今後も場所が確保されればさらに建設が進むと考えられる。被災者の方々が少しでも快適で健やかに暮らせるよう、いずれ復興住宅となる木造応急仮設住宅が今後増えていくことを願わずにはいられない視察報告となった。
